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天化の口調が自信ありませんこんばんわ凛です。

あの言葉が、頭から離れない。



崑崙学園 ~2.校内は禁煙ですから~



放課後。
6時間もの授業も終わり、部活に帰宅にと生徒はがたがたと動き出す。
そんな中、私は動く気にもなれずぼんやりとただ椅子に座っている。
「・・・」
頭を占めるのは、昨日のこと。


昨日、あの後結局楊ゼン君にケータイは渡せず。
そのまま持って戻って「いなかったや」と冷静を装ったものの心の中は嵐だった。
だめだ、今楊ゼン君の顔をみたら絶対妙な顔になる!と思い適当に用事を作って帰宅。
もんもんとしたものを抱え、現在に至る。


「どうしたさ?」
いきなり背中をつんっと押され、思わずぎゃあ!と叫んでしまう。
「て、天化君・・・」
振り返ってみると、人懐っこい笑顔を浮かべ、元気ないさ、と軽く聞いてくる同級生がいた。天化くんだ。
窓際の一番後ろというゴールデン席をクジ引きで勝ち取った彼は、私の後ろの席。
「いや・・・」
こんなこといえる筈がない。てか、信じてもらえるはずがない。
楊ゼン君と太公望先生が恋人同士かも・・・?だなんて。
でもそこで、私ははっと気づく。
いや、そうだ。まだ「かも」なんだ!!はっきり聞いたわけじゃない。


「天化君!・・・太公望先生って、恋人いるか・・・知ってる?」
「・・・あーた、せんせのこと好きさ?」
いきなりの問題発言にぽろっと口にくわえていた棒つきキャンディを落とす天化くん。
「や、そんなんじゃなくて!ちょっと、気になって」
誤魔化しにもなってない言葉を返しながらも、やっぱり知らないよなぁと心中ため息。
「楊ゼン君も…キャーキャーいわれてる割には彼女がいるとはきかないよね…」
ぽつりとこぼし、こんどは本物のため息。
「…どうしてそこで楊ゼンさんが出てくるさ…?」
「いや、違う!好きじゃないです!」
今度は必死に否定しておく。冗談じゃない。もし私が楊ゼン君好き、とか言う噂が流れたらもう学校に来れない。
親衛隊のお嬢さん方からの呼び出しは必須だ。


さ、さぁ帰ろう!と立ち上がると、くいっと引っ張られるかばん。
「…どうしたの?」
「どうしてそこで楊ゼンさんが出てくるさ。」
さっきと同じ言葉。
「だから好きじゃないってばーー!学校に来させてーー!」
校舎裏でくたばりたくないわと半泣きで訴える。
「なんで、せんせの恋人云々の後に楊ゼンさんが出てくるさ?」
「え…?」
何を聞きたいのか真意がいまいちつかめず、言葉につまり無言でいる私。
立ち上がった天化君は新しいキャンディを取り出し、くわえながらにかっと笑った。
「おれっち、あーたと同じ悩み抱えてるかもしれないさ」


とりあえず話し聞かせて、と言う彼に私はついて行く事にしました。


   *


天化君の後ろをついて行き、辿り着いたのは体育教官室。
た、体育教官室とな…!?
「いや、勝手に入っちゃだめでしょ!」
「道徳せんせ、放課後は体育会系部活をはしごしていつもここにはいないさ」
だから内緒話にはもってこいさ~♪とガラガラとドアを開ける。
「そういや天化君、部活行かなくていいの?」
「ま、たまにはいいさ。」
その運動神経の良さで各部活動からひっぱりだこで、入学の年に争奪戦が起きたというのは未だ崑崙学園の伝説だ。
ちなみに道徳先生の「スポーツ!」の一言でその場は収まり、今はフリーで活躍しているらしい。
高校総体の時は会場のハシゴをしているとか。すごいなぁ。


「で。あーたは何をお悩みさ?」
ポケットからキャンディのストックをわさっと取り出し、どうぞ?と勧めてくる。
「ありがと」
手近にあるものを有難くいただきまっす。


私は昨日聞いた事をとりあえず、包み隠さず話してみた。
てか、ぶっちゃけ誰かに話したくて仕方なかったし?もうべろんべろん話しちゃった。
「…聞こえたきがするのよ、恋人って。」
「恋人…ねぇ…」
咥えた棒をぶらぶらさせながら呟く天化君。
「おれっちもさぁ、あったんだ」
そういうの見たの、とかなり気になる発言をかましてくれた。
「何!?どんな!?」
「抱きついてた。」
「はぁ!?いつ、どこで!?」
何今まで黙ってんのこの男!と思わず心の中でつっこむ。
「けっこういつも?最近は…楊ゼンさんから陸上大会の件で話があるから生徒会室に来てって言われて、行ったら。」
楊ゼンさんが座ってるせんせに後ろからぎゅーって。
まぁ、そんな時はいつもせんせが「やめんか!」って言って騒いでるさ。
あ~…そういうぎゅうかぁ…。決定打ではないけど…。
「ちょっと、いや…普通先生には抱きかないわな。」
「でも普賢せんせは太公望せんせによく抱きついてるさ?」
いや、あれはなんか…微笑ましいから例外だと思われる。
その他にもなんか…手繋いでる時もあったし、真っ赤になったせんせが楊ゼンさんのミゾオチに蹴りかましてるとこも見たし…。
とかなんとかつらつらと目撃証言を述べ続ける。それ多くないすか!?


事の真相を確かめようとしたけど、おれっち楊ゼンさんに嫌われてるからなぁとつぶやく天化君。
「そうなの?」
「うん。なんか…よくにらまれてるさ。話しかけると普通なんだけど。ふとした時に怖いさ。楊ゼンさん。」
「ふぅん…?」
楊ゼン君、怖くはないけどなぁ。近寄りがたくはあるけど。
天化君も性格悪いとかないし、なんでだろう…?と不思議に思った時。
「天化ー!!おるかー!」
ガラッと盛大な音と共に現れたのは。
生徒によく間違えられる、あの教師。

「太公望先生!?」

正にその方のお話をしていたんだから、天化君と思わず名前を叫んでしまったのは仕方ないと思う。




「お、お主もおったのか」
太公望先生に言われ、私はぺこっと頭を下げる。心臓ばくばくで言葉を発するのはむりです。
「なんでここってわかったさ」
「お主放課後は体育館かグラウンドか教官室だろうが」
てか、何の用さ?と天化君はしら~っと何事も無かったかのように会話。よく平然と話せるなぁ。
「あめくれ。」
丁度切らしてしまったのだ、買いに行くのも面倒だ、とずずいっと手をだす太公望先生。
太公望先生は超が付く甘党だというのは崑崙学園の常識だ。ちなみに桃も大好物。
崑崙学園の調理実習でお菓子の占める割合が異常に高いのは、雲霄先生(…)が太公望先生を餌付けする為、というのは有名な噂であるわけで。
「師叔、飴くらい僕が買ってきますよ」
遅れて登場したのはもちろん、あの方。
「…!!!」
もう無理!二人揃っちゃった!!駄目、死ねる!いや、まだ死ねない!!!!
口を押さえて下を向き、ひたすらに表情を隠す。今の私の顔はきっとノーベル賞を受賞してしまう。
そんなノーベル賞を気にも留めず、彼らは会話をしてくれます。助かった。


「だーかーらー、わざわざ買って来なくていいって。」
「おれっちのキャンディの桃味はいつもせんせに取られるしね」
「そうそう!」
だははと笑いながら、慣れた手つきで桃味の選別をさくさくする先生。
あれ…楊ゼン君の表情が険しい?
「いつも天化君から取ったら悪いでしょう」
「何を言うか。いつももらうから天化の国語の採点は甘くしてるのだぞ?」
感謝してもらわねば、と教師にあるまじき発言。
いや、それよりもなによりも。楊ゼン君の表情がやっぱり険しい。
「楊ゼンさんもいるさ?」
「…いえ、甘いのはあまり。」
苦手なので、とニコっとつくり笑い。
…。
嫌われている(らしい)天化君。
天化君にいつもたかる太公望先生。
表情険しい楊ゼン君。
…嫉妬!?嫉妬か楊ゼン君!!???


恋人にいつもキャンディをあげる男!確かに楊ゼン君にとって天化君は面白くない存在だ!!!
口に手を当てて脳内の合致に興奮。はぁわわわ!
え、じゃあ天化君が二人のいちゃつき(?)現場の目撃率が高いのは…あてつけか!?
生徒と先生(しかも男同士)が出来ているなんて大スキャンダルだ。当人は絶対に隠す。
あんな完璧な楊ゼン君が上手く隠しきれないなんて…想像できない。
わざとだ。絶対わざとだ。
僕の師叔に手を出すなって天化君へのあてつけなんだ!!!!!!!!


「大丈夫さ?」
天化君の一言ではっと我に返り、ばっと顔を上げる。もう二人はいない。出て行った後らしい。
「あ、や、何でもない…」
自分の脳内の暴走ぶりを少々反省。いやいや、ヒートアップしすぎだよ私…。ふぅ。
「…天化君…」
「何さ?」
「そのままの天化君でいてね。」
「…は?」
なにがさ?という天化君に「また何かあったら絶対教えてね!絶対だからね!!!」と念を押し、じゃあねと帰宅。


もう桜の散ってしまった、夕日沈む並木道を一人駅へと向かいながら思う。
楊ゼン君と太公望先生が恋人同士。これは多分正しい。
決めた。私は卒業までにそれを確証に変えてみせる。絶対に!
敵はきっと簡単に尻尾を掴ませてはくれないだろう。なんといったってあの飄々とした太公望先生と完璧な楊ゼン君だ。
おっけぃ、敵に不足なし。望むところよ!

むぅふふっふふふふ、と腹の底から響く笑い声を止める事は出来ない。
卒業まであと一年。私の戦いは今始まったのだ!!!

プロフィール

凛

Author:凛
封神の楊太を中心に妄想を繰り広げる、元某大学文学部在籍のおなご。現某会社広報担当。趣味はタバコ収集。でも吸えません(え)。パッケージが好きなのです。
メールフォームとかで構って下さると大変喜びます。お気軽にどうぞ。質問、お問い合わせ等もございましたらどうぞ。

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