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煙草シリーズ3。

「夜、電話をしますね」
男はそう言ったのに、ケータイは鳴らないまま机の上に。



党恋人・香依存症。



「明日から1週間、出張になってしまいました」
むすっとした顔で言い放った楊ゼンを宥めて出張に行かせ、今日で4日目。
朝電話が掛かってきて、また夜電話しますと言ったはずなのに。
一向にかかってくる気配はなし。
決して待っているわけではない!と自分に言い聞かせながらも、ずっと気になるケータイ。
ちらちらと鳴る気配のないそれを見ては、ちくんと胸が痛む。
自分からせめてメールでも送れば良いのに、妙なプライドがじゃまをする。
けれど、うずうずとしてやっぱりケータイに目が行ってしまう。


「だぁっ!もう!」
いつも今日のうちに寝てしまう望だが、いつの間にか時計はもう12時を回っていて。
なんなんだ、と思いながら布団へと潜り込むことを決める。
明かりを消して、無理矢理目を閉じて。もうそろそろ眠りにつけそうだという頃。

『ヴヴヴヴヴヴヴ。』

けたたましく机の上で振動し、光りながら着信を知らせる。
電話の主は、もちろん。
「ようぜん…」
夜が早いわしがもう寝ていることなんて、わかりきっていることだろうに。
もそもそとケータイを手に取り、ピッとボタンを押す。
「…遅い。」
「すみません。」
至極不機嫌な声に苦笑しながら楊ゼンは謝る。
「もう寝てました…よね?」
「あたりまえだ…あほ…」
でも声が聞きたかったんですよ、少しでも。と付け足す男に何も言い返せなくてむぅ、と唸る。
「明日は…?早いのだろう?」
「えぇ。あなたもでしょう?だから今日はこれで。…おやすみなさい。」
「…おやすみ」


楊ゼンが自分から電話を切ることは決してない。
なので望がピ、とボタンを押し通話を終える。
少ししか声を聞けなかったので不満だが、全然聞けないよりずっと良い。
ふふ、と幸せ気に微笑みながら本格的に寝る態勢に入る望。


だけどやっぱり、物足りない。
一人でダブルベッドは広すぎる。
布団に鼻を押し付けるけど、楊ゼンの匂いはわずかに残るだけで。
楊ゼンのあの甘い煙草の匂いが、しない。
「いつか電話も、匂いを届けたりはしないかのぅ…」


ぎゅうっと楊ゼンの枕を抱きしめて残り香をかみしめながら、ふぁっとあくびをひとつ。
あと3日をどうやって乗り切ろうと考えながら、望は眠りについた。

プロフィール

凛

Author:凛
封神の楊太を中心に妄想を繰り広げる、元某大学文学部在籍のおなご。現某会社広報担当。趣味はタバコ収集。でも吸えません(え)。パッケージが好きなのです。
メールフォームとかで構って下さると大変喜びます。お気軽にどうぞ。質問、お問い合わせ等もございましたらどうぞ。

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