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煙草シリーズ4

今年のクリスマスは何の準備もできずじまいだったのでせめて、と思い小話をしたためました。
クリスマス当日、酔いどれ凛さん更新忘れました(爆)。
まぁいまさらの更新で。






「…通りで、寒いはずですね…」
日も暮れてきたのでカーテンを閉めようとしたら、窓の向こうでは白いものがちらほら。
いわゆる、ホワイトクリスマス。


党恋人・聖依存症。


ぐつぐつとナベは煮え、キッチンはほんわり暖か。
外気との温度差で窓はくもる。
今夜はクリスマス。
具だくさんポトフと、ひよこ豆のサラダと。とっておきの日本酒と。あとおつまみたくさん。
ケーキはそろそろ恋人とともに到着するはず。
と、タイミングよく玄関の開く音がする。


寒い…!と言いつつキッチンに入ってきた望のせいで、室内温度は少々下がる。
「ケーキちゃんと取ってきました?」
「忘れるわけなかろう!」
あの人気店の、限定30個クリスマススペシャルなのだぞ!とかなりのハイテンション。
得意げに箱を掲げ、すぐさま冷蔵庫へ。
やばい。指やばい…!と言いつつポトフで暖をとる恋人。


「そんなところで暖まらないで下さいよ!あ、煙草は?」
「あ。」
缶Pが切れてしまったので、ついでにと頼んでおいた楊ゼン。どうやらケーキに負けたらしい。
「忘れたんですね…」
今から買いに行くのも面倒ですし。良いですけどね…と目に見えてしょげる楊ゼン。
「まぁまぁ。一日くらい吸わぬでも良いではないか。」
冷たい身体をすり寄せてきて、少年は男の体温を奪ってゆく。
「お主には他に吸うものがあるし。」
「他?」
小首を傾げる男を、望は挑発的に見上げる。
「わし。」
まぁ、それがクリスマスプレゼントかのぅ~♪とフフフと酷く楽しげに笑う。
「望…」
なんでこの人はいつも突拍子もないことをいきなり言うんだ。


「要はクリスマスプレゼント買ってないんでしょう。」
「わしは高いぞ!?」
缶P何個分だと思っておるのだ!と、ギュッと頬をつねられる。
「まぁ、確かに缶Pより美味しいですけどね。」
今夜おいしくいだたきます、と今はとりあえず味見だけしておく。
冷たい唇はすぐに暖かになり、甘くとろけて男を誘う。


「まだ…僕の味する?」
「まだな。」
顔を下にずらし望の首元をちゅっと吸えば、淡く浮かぶ所有の印。
クスクスと笑いながら、望は男に問う。
「楊ゼン…」
胸元にある恋人の頭を、そっと上げるように促す。

「吸いたいのは、そこだけか…?」

男は見つめられた瞳は逸らすことが出来ずに、誘いの言葉は頭の中にゆっくりと染みていく。
望、と呟きまた口づけをしようとしたらそれはするりとかわされて。
「デザートは最後だと、相場が決まっておろう?」
だからごはん♪といそいそと食卓の準備をはじめる恋人。
その切り替えの早さに男はため息をひとつ。


「あなたが嫌という程食べて差し上げますよ。デザート。」
「望むところだ。」


お互いを睨みつけると、急に可笑しさがこみあげて。
暖かな室内に、明るい笑い声が響く。
「メリークリスマス、望。」
「メリークリスマス。楊ゼン。」
カチ、と乾杯をして食事は始まり。


二人の聖なる…?夜は更けていった。
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煙草シリーズ3。

「夜、電話をしますね」
男はそう言ったのに、ケータイは鳴らないまま机の上に。



党恋人・香依存症。



「明日から1週間、出張になってしまいました」
むすっとした顔で言い放った楊ゼンを宥めて出張に行かせ、今日で4日目。
朝電話が掛かってきて、また夜電話しますと言ったはずなのに。
一向にかかってくる気配はなし。
決して待っているわけではない!と自分に言い聞かせながらも、ずっと気になるケータイ。
ちらちらと鳴る気配のないそれを見ては、ちくんと胸が痛む。
自分からせめてメールでも送れば良いのに、妙なプライドがじゃまをする。
けれど、うずうずとしてやっぱりケータイに目が行ってしまう。


「だぁっ!もう!」
いつも今日のうちに寝てしまう望だが、いつの間にか時計はもう12時を回っていて。
なんなんだ、と思いながら布団へと潜り込むことを決める。
明かりを消して、無理矢理目を閉じて。もうそろそろ眠りにつけそうだという頃。

『ヴヴヴヴヴヴヴ。』

けたたましく机の上で振動し、光りながら着信を知らせる。
電話の主は、もちろん。
「ようぜん…」
夜が早いわしがもう寝ていることなんて、わかりきっていることだろうに。
もそもそとケータイを手に取り、ピッとボタンを押す。
「…遅い。」
「すみません。」
至極不機嫌な声に苦笑しながら楊ゼンは謝る。
「もう寝てました…よね?」
「あたりまえだ…あほ…」
でも声が聞きたかったんですよ、少しでも。と付け足す男に何も言い返せなくてむぅ、と唸る。
「明日は…?早いのだろう?」
「えぇ。あなたもでしょう?だから今日はこれで。…おやすみなさい。」
「…おやすみ」


楊ゼンが自分から電話を切ることは決してない。
なので望がピ、とボタンを押し通話を終える。
少ししか声を聞けなかったので不満だが、全然聞けないよりずっと良い。
ふふ、と幸せ気に微笑みながら本格的に寝る態勢に入る望。


だけどやっぱり、物足りない。
一人でダブルベッドは広すぎる。
布団に鼻を押し付けるけど、楊ゼンの匂いはわずかに残るだけで。
楊ゼンのあの甘い煙草の匂いが、しない。
「いつか電話も、匂いを届けたりはしないかのぅ…」


ぎゅうっと楊ゼンの枕を抱きしめて残り香をかみしめながら、ふぁっとあくびをひとつ。
あと3日をどうやって乗り切ろうと考えながら、望は眠りについた。

煙草シリーズ。

「のぅ」
「はい?」
「お主、初体験はいつだ?」
いきなりの事に、煙草は僕の手からぽろりと落ちた。



党恋人、疑依存症



缶Pの蓋を開けて、ふんふんと匂いを嗅ぎながら聞いてきた望。
楊ゼンは机に落ちてしまった煙草を慌てて拾いあげる。
散った灰をティッシュで寄せ集め、机が焦げていないか確認。


「…煙草初体験なら、確か高校の時だったかと…」
きっとこの初体験じゃないのだろうな、と思いながらそれでも答えてみる。すると案の定不満そうな目が向けられて。
「お主はこの国の法律を知らんのか。てか、そうじゃなくて。」
望は缶の中から1本煙草を取り出すと、吸うわけでもなく分解を始める。
白い巻紙をぺりぺりと剥すと、中からは葉がわさりわさり。
分解するくらいなら吸えば良いのに、吸わないんだよなぁ…。もったいない。
これ以上犠牲になる本数を増やしたくないので確信に触れてみる。


「……アレが、ですか?」
「そう。お主が大好きな、アレ。」
くくっと意地悪く笑いながら、満足気に相槌を打って来る。
本当に意地が悪い…と思いながら男は逆に聞き返した。
「望は?どうなんですか?」
まぁ僕とだろうから…23歳か。とか何とか思ってたら。


「わし?わしは18の時だぞ?」
「はぁ!?」


思わぬ答えに目を見開く。
「僕とが初めてじゃなかったんですか?!」
「お主はわしをヤラハタだと思ってたのか?!」
男としてそれは遠慮願いたい!と続けて叫ぶ。
「だってあなた…初めてした時すごい不慣れ感溢れてたじゃないですか!」
「どっ…!どうせわしは下手だよ!」


どーせ!と言い放つと望は顔を背けてしまった。
でも、背後からでも見える小さな耳は真っ赤で。
未だに可愛らしい反応を返してくれる恋人に、心からの愛しさを覚える。
「望…」
柔い朱髪をフワリと撫でてやりながら。


「良いじゃないですか。今は相当上手いですよ?」
「うるさい!」


僕のお陰でね、とか言ったらこの人はどういう反応を返すのだろう。
そんな事を思いながら男がクスクスと笑うと、望は「何がおかしい!」と真っ赤な顔で反抗して来た。


あぁ。本当に可愛らしい限りで。




++++++++++++


おまけ。
「いや、だからお主の初体験は?」
「…では望と同じ18歳にしときましょうか。」
「…あぁ…。」

なんだそのしとくって。

私も缶Pの匂いは堪らないクチです。

「お主の味じゃあない」
僕の膝の上に座った望は、上唇をぺろっと舐めながら言った。



 党恋人、味依存症。



自分からキスをしてきたくせに、「不味い」と言いながら口をごしごしと擦る望。
「不味いと言われましても…」
ちゃんと禁煙続けてますよ?と楊ゼンは言う。
以前望から「お主の口は苦い!」と言われて以来、男は禁煙生活驀進中だ。
楊ゼン愛用の煙草はピース。ちなみに缶P。ニコチン・タール共に酷い数値をさす。
しかしその缶を開けた時に広がる、あのやわい様な甘い様ななんとも言い難い匂い。それが楊ゼンを魅了してやまなかった。


それも恋人の為に泣く泣くやめたのに、不味いと言われた。
ヒトツキくらいではやはり抜けないのか…とぼんやりと思っていると、望の細い腕が首にまわされる。
めずらしく乗り気な恋人の腰を引き寄せ、今度はこちらからキスをしようとするとふい、と避けられる。
そしてその顔はそのまま、楊ゼンの肩口に埋められて。
「…明日、煙草を買って来い。」
小さな舌を逞しい男の身体に這わせながら、ひそりと呟いて。


「お主以外と口を合わせているようで、すごく嫌だ。」


淡泊そうでいて意外に貞操観念の強い望はそう付け足す。
口元に笑みを浮かべながら、今すぐにでも買ってきましょうか?と甘く囁けば、「終わってからでいい」とさらりと答える。
この人にはかなわないな…と思いながら、楊ゼンは相変わらず甘い望の身体を味わった。



終わったら、行きつけの煙草屋に。
帰り道は夜空を見上げながら、紫煙を燻らせて。
そうしたらたくさんして差し上げましょう。
僕の味のキスを、あなただけに。

青色日和。

そこにあったのは、青くて長いお主の、髪。


青色日和。


 今日は天気が良くて、青い空が一面に広がっていた。こんな日は何かしなくては!と思い布団を干そうと思ったが。
「・・・・・・・・・」
真っ白なわしのシーツの上にあったのは、あやつの青くて長い髪。
手にとり眺めてみると、とても綺麗な青色で。まるで今日の空の色みたいだった。
光を受けて色を微妙に蒼にも紫にも変える、それ。


――楊ゼンの、色。


 ただの普通の日常が、楊ゼンの色があるだけでとびきり優しいものになる。
手をつないだりとか、キスをしたりとか、腕の中におさまる時とか。楊ゼンに触れる時は常に青に包まれる。
そんな甘い甘い記憶が色と一緒に蕩け出てきて。恥ずかしい!と思いはするが、それをはるかに上回る安堵感。
「…わしももう駄目だのぅ…」
そう言いつつも顔はとても幸せそうで。
窓から放った楊ゼンの髪は風にのり、やがて空へと吸い込まれていった。


 fin.



 だいぶ前に、ばぁーっと書いたやつです。文章かける人になりたいから、暇な時は書くように頑張ってます。…やっぱり難しい…。なんで師叔のシーツに楊ゼンの髪が落ちてるんでしょうね(笑)。

プロフィール

凛

Author:凛
封神の楊太を中心に妄想を繰り広げる、元某大学文学部在籍のおなご。現某会社広報担当。趣味はタバコ収集。でも吸えません(え)。パッケージが好きなのです。
メールフォームとかで構って下さると大変喜びます。お気軽にどうぞ。質問、お問い合わせ等もございましたらどうぞ。

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